ロシアの侵攻により注目を受け続けているウクライナのゼレンスキー大統領がG7広島サミット参加のため来日しました。
世界中の注目が集まる中、メディアに現れた彼の姿はパーカーというラフな格好でその服の色はカーキでした。
大統領の服といえばスーツという印象が多いため、注目が集まる場でなぜそんなラフな服装なのかと疑問に思われた方も少なくないと思います。
実はゼレンスキー大統領は今回のG7広島サミット以外の場でも服の色はカーキ、上はTシャツという姿で公の場に登場する事が多いのです。
この服装は2022年のロシアによる侵攻が始まってからずっと続いて同じ服を着ており、既にカーキ色のTシャツが彼のトレードマークの1つとなっている事を皆さんご存知でしょうか。
その服装にスーツを持っていないのか、大統領の選ぶ服装ではないという批判的な意見を持っている方もいるようですが、彼は何の意味もなくこの服装を続けているわけではありません。
ゼレンスキー大統領には公の場で同じ服を着る理由があるのです。
今回はウクライナのゼレンスキー大統領はなぜカーキ色のTシャツを着ているのか、同じ服を着る理由について解説していきます。
目次
ゼレンスキー服の色がカーキなぜ?
ゼレンスキー氏、ぜひG7にはいつものTシャツ姿で参加して欲しい。 pic.twitter.com/3eFDn5oMLi
— tsunemix™ (@tsunemix) May 20, 2023
ゼレンスキー大統領の服の色は基本、カーキです。
単にカーキという色が好きというわけではなく、実はカーキという色が選ばれているのにはいくつかの理由がある事が分かっています。
その理由にはゼレンスキー大統領のウクライナへの強い思いが込められていました。
まずは何故服の色がカーキがなのかについて詳しく説明していきます。
ゼレンスキー大統領の服の色がカーキの理由①『略式軍服』
ゼレンスキー大統領が着ているTシャツは「略式軍服」です。
軍服は式典等の特別な場以外で身に着けるものは白など目立つ色のものが多いですが、戦場で着用されるものは目立つ事がないよう土や枯草の色に近いものが基本でカーキ色となっています。
またゼレンスキー大統領が着ている服の胸元にはウクライナの軍旗のプリントがされています。
ウクライナの軍旗のマークは小さく目立たない控えめなプリントとなっている点や多くの人が連想する軍服とは違うデザインのため私服と誤解される方も多いようです。
ゼレンスキー大統領がいつも着ている服はタクティカルウェアと呼ばれるウクライナ軍から支給されている略式軍服なのです。
ゼレンスキー大統領の服の色がカーキの理由②今すぐに行動できるという意思表示
ゼレンスキー大統領がカーキのTシャツを着ているのは「今すぐに行動できる」という意思表示の表れでもあります。
スーツやシャツではなくTシャツを着ているのは「腕まくりをする必要すらない」という意味が込められており、迅速な行動力の強いアピールでもあるのです。
色だけではなく、Tシャツというデザインにも意味があったんですね!
ゼレンスキー服の色がTシャツで同じ服を着る理由は?
G7広島サミット三日目、来日されたゼレンスキー大統領を交えてウクライナ情勢のセッションを行いました。 pic.twitter.com/Yh1A343JZw
— 岸田文雄 (@kishida230) May 21, 2023
カーキ色やTシャツに込められた意味を知っていても国の代表である大統領ならもう少し色々な服を着た方が良いのではと批判的な意見を述べる方もいるようです。
もちろん必要な場であればスーツを着用する事もあり、TPOは配慮しています。
しかし、ゼレンスキー大統領は基本的にはいつも同じ服を着ています。
その理由について彼が服装に無頓着だからといった誤解をされている方もいますが、むしろ全く逆です。
実は同じ服を着ているのもゼレンスキー大統領の国を大切に思っている事を象徴する理由がある事が分かっています。
その理由について次で説明していきます。
ゼレンスキー大統領の服の色がカーキの理由①リーダーであると印象づけたいから
ゼレンスキー大統領がカーキ色のTシャツを着ている理由の1つは、国民と同じ立場で現地の指揮をとるリーダーだと印象づけるためです。
自分だけ贅沢な良いスーツに身を包み、安全な場所で指揮をとっていくのではなく、少しでも国民の気持ちに寄り添って自分も国民と同じように前線で行動していきたいという強い気持ちの表れなのです。
世界的に不況な現代社会、まして戦争中という状況で高価なスーツを着る経費を不要と判断したためゼレンスキー大統領は今のカーキ色のTシャツという服装を続けていると思われます。
ゼレンスキー大統領の服装は本当にウクライナという国の未来を思っての選択なのだと言えるでしょう。
ゼレンスキー大統領が同じ服を着続ける理由②戦場で戦う兵士との絆を象徴
まさかゼレンスキーが日本に それも原爆ドームの前に立つ日が来るとは・・
戦闘服を着て前線に赴くゼレンスキーを見た時と同様やはり胸が熱くなってしまう。 https://t.co/iEfB1iaOCG pic.twitter.com/2CyoK5uY44
— Before the Law (@cat_on_prague) May 21, 2023
ゼレンスキー大統領が着ている服は戦場で戦う兵士との絆の象徴といえます。
ゼレンスキー大統領は以前ポーランドを訪問した際、ロシア軍によるバフムート制圧を否定しながらも苦境である事を認めたうえで「自分にとって1番重要なのは兵士を失わない事」と話をした事もありました。
前述した通り、ゼレンスキー大統領がいつも着ているカーキのTシャツはタクティカルウェアと呼ばれるウクライナ軍の略式軍服です。
同じ服を着続けているのは無駄な経費を使わないという事と同時に国のために戦っている兵士達を敬い、兵士達との絆を大切にしたい、自分も兵士達と一緒に行動していくという強い気持ちが変わっていないという意味を表しているようです。
まとめ
ゼレンスキーさんが、
広島の原爆資料館を見て、
原爆ドームを見て、
どう感じたんだろうか。。オバマさんが訪れた時以来の
心の音と震える衝撃を感じた。
胸が締め付けられ
色んな思いがよぎる。 pic.twitter.com/rQLlDTBdek— RIRIRI (@rica2222_1lov) May 21, 2023
今回はG7広島サミットに参加した事でも話題のウクライナ、ゼレンスキー大統領の服の色はなぜカーキなのか、同じ服を着る理由はなぜなのかという事について解説しました。
戦争中のロシアを含め他国の政治家の多くがスーツを着ている中、Tシャツ姿で公の場に出る事が多かった彼ですが、同じ服を着る理由はウクライナへの深い愛情あってのものだったのですね。
ゼレンスキー大統領は広島原爆資料館へカーキではなく黒のシャツを着て訪問しており、こちらも核攻撃の脅威にさらされている国の代表として追悼の意を示したのではないかと大きな話題となっています。
服装に無頓着なのではないかと誤解を受ける事もあるゼレンスキー大統領ですが、実は非常に深く考えて服を選んでいるようです。
長く続いているウクライナの戦争ですが、早くロシアとの問題が解決し、ゼレンスキー大統領が選ぶ服の色や形が戦争に関連するものではない平和な時代が訪れると良いですね。